契約ハーレム

第06話

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 待ち合わせをしながら、草斉はなんとなしに携帯電話でニュースサイトをみた。いくつもの見出しから、気になったものを表示させて、詳細を見る。
 その中で、一つ興味深いものがあった。どこかの国で、十七歳の少年が専属のメイドを募集しているという内容だ。少年が出した条件は、およそメイドに要求するようなものではなかった。家事や料理などを一切する必要はなく、ただメイド服をまとって、映画鑑賞やテレビゲームのプレイを一緒にしてくれるだけでいいのだという。それでいて支払われる賃金はその国の平均月収の倍近い。そのため応募者は殺到している、と記事は結んでいる。
「遊び相手がほしいだけか」
 と、草斉はつぶやくように言った。あきれる気持ちになる一方で、そういうやり方もあるのか、と密かに感心する。
 いや待てよ、と草斉は思った。確か昨日、これに似たような話を聞いているのを思い出す。
「デラさんだ」
 大学同期の友人、小野寺隆史から聞いた話だ。著名な画家がコンパニオンを連れて、旧知を演じさせながらパーティーに同行させるという話を。
 記事をもう一度みた、中程で、少年の代理人が給金や安全を保証すると言った旨の発言が強調されている。
 代理人、それはもしかして、小野寺が手がけている仕事と同じものではないかと、草斉は思うのだった。


 二週間後、草斉はコーヒーショップで一人の女性と向き合って座っていた。四人掛けのテーブルで、草斉は奥のソファーに座り、店の入り口から入ってくる客を常に確認していた。彼のの向かいに座っている女性は、なにやらそわそわした様子でこちらを見てくる。
 さもありなん、と草斉は思った、今からする話を考えたら緊張をするか警戒をするかのどっちかだろうと自分でも思う。かく言う自分も同じくらい緊張しているのだ、高鳴る胸の鼓動を糊塗するかのように、グラスが結露しているアイスコーヒーをとって、唇をしめらす様にに口を付けた。
 そういえばこれ呼び名なんだっけな、カウンターでLサイズくださいって言っら、はい○○ですね、と違う言い方で確認されたばかりだ。それに草斉ははい一番大きいサイズでと答えた。あれってどこの国の言葉なんだろう。と半ば現実から目を背けるように考える。語感からして英語という可能性もあるが、それならラージって言っていいようなものだが、残念ながら音がまるで違う。
「あ、あの……」
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